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きみづか整形外科 理学療法士によるブログ

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私たち理学療法士からのメッセージ

腰部脊柱管狭窄症で低下しやすい筋肉とその筋力トレーニング(ふくらはぎ編)

 腰部脊柱管狭窄症の病態は、R2年8月23日のブログ、「腰部脊柱管狭窄症の歩行について〜注意して頂きたいこと〜」でご紹介させて頂きました.種々の原因で神経の圧迫が起きそれにより、疼痛や痺れ、筋力低下、感覚鈍麻等の症状を誘発します。

 腰骨(医学的には腰椎と呼びます)と神経の構造は図1のように骨の合間から神経の枝(黄色)が一本ずつ出ています。

図1 腰椎と神経

この一本一本の神経が支配する感覚領域(図2)と支配する筋肉は概ね決まっており、腰部脊柱管狭窄症では腰の4番目、5番目とその下の神経の枝(医学的には第4腰神経根またはL4、第5腰神経根またはL5、第1仙骨神経根またはS1)の支配領域に疼痛が生じることが多いです1)。図2で示すところのL4、L5、S1の領域です。

図2 各神経の感覚領域(HP1より引用)

 運動面でも同様で、上記の神経(腰の4番目、5番目とその下の神経の枝)が支配する筋肉で、筋力低下が生じやすいということになります。具体的には図3で示すようにL5の神経が主に支配するスネ付近、S1の神経が主に支配するふくらはぎの筋肉で臨床上よく筋力の弱化を認めます。図3では割愛していますが、太もも裏の筋肉もL4、L5、S1全ての神経の支配を受けるため、弱化を認めることがあります。
(※ただ、例えば股関節を持ち上げる筋肉や膝を伸ばす筋肉で狭窄症がない人に比べ狭窄症ある人で弱化が報告されていますし2)、加齢、動きの癖、他の疾患の影響などなど、他にも弱化している筋肉を認めることもただあります。その場合は総合的な筋力トレーニングが必要な場合もありますが、ここでは言及することを差し控えます。)

図3 各神経が支配する筋肉(HP2より一部改変して引用)

 この腰部脊柱管狭窄症で直接的に弱化が起きやすい筋肉の筋力トレーニングの具体的な方法を、まずはふくらはぎの筋肉に絞りお伝えします(図4)。狭窄部の圧力を減らすため、腰をなるべく曲げて行うのがポイントです。図5のように腰が反ってしまうと、狭窄部の圧力が上昇してしまう可能性があるので、このようにならないように注意しましょう。目安としては1日で1セットを10回として、3セット程度行いましょう。運動前に痺れ、疼痛がない方は運動中に痺れ、疼痛が出現したら中止してください。運動前に痺れ、疼痛がある方はその程度が増悪したら中止してください。

図4 脊柱管狭窄症用ふくらはぎ筋力トレーニング
まず腰を出来るだけ丸めます。その状態のまま、踵を3秒間掛けて挙げ3秒間掛けて降ろします。
図5 腰部脊柱管狭窄症患者さんにとって望ましくない方法

 引用文献
1)菊池臣一:プライマリケアのための腰部脊柱管狭窄ー外来マネジメントー改訂版,医薬ジャーナル社:22,2015.
2)Kasukawa,Y,et.:Lumbar spinal stenosis associated with progression of locomotive syndrome and lower extremity muscle weakness.Clin Interv Aging14:1399-1405,2019.
引用ホームページ
1)https://orthopaedia.com/page/clinical-correlation-of-disc-disease
2)https://www.picturingmedicine.com

理学療法士 渋谷拝

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