腰部脊柱管狭窄症患者さん向けの体操1(神経由来の下肢疼痛,痺れの緩和を目的として)
腰部脊柱管狭窄症の病態は前回のブログ(R2年8月23日)腰部脊柱管狭窄症の歩行について〜注意して頂きたいこと〜でご紹介させて頂きました.神経の通り道が種々の原因により圧迫を受け疼痛や痺れ,感覚鈍麻や筋力低下を招きます.神経は,背筋を伸ばした姿勢(後屈)では神経の圧迫が強くなり,背筋を丸めた状態(前屈)で圧迫が弱くなります.下の図は姿勢による神経の圧迫圧を示しています(図1).
この特徴を踏まえると,腰部脊柱菅狭窄症の患者さんにやって頂きたいことは体を前屈する体操です(図2).方法は椅子の下をのぞきこむように体を前屈し,前屈したまま深呼吸を3回ほど行ってみて下さい.下肢の痺れや腰痛の出現・増悪を感じる時は中止して下さい.
また,これは腰部脊柱管狭窄症に限ってのもので,他のタイプの腰痛には疼痛増悪の可能性があります.腰部脊柱管狭窄症以外の腰痛についての体操,エクササイズについては後日紹介します.
引用文献
1)Takahashi,K,et.:Epidural pressure measurements,relationship between epidural pressure and posture in patients with lumbar spinal stenosis.Spine20:650–653,1995.
2)松平浩:腰痛管理のためのエクササイズ(体操).医学のあゆみ236,5:388−396,2011.
理学療法士 渋谷拝